第28章 ∇この感情は…∇ アズール視点
彼女との事を考えていると契約の事を思い出す
「…はっ!僕とした事が…
今はレオナさんとの契約が優先です。
あなたの事は……」
そう口にして
髪留めをポケットへと仕舞い
魔法で体を軽く綺麗にし
身なりを整え
本来の僕の場所へと戻り
何事も無かったように振る舞う
今日起きた事は忘れる…
一時の欲になど溺れない
この僕がそんな物に溺れるはずが無い。
湧き上がるよく分からない感情と共に
深く仕舞い込む
いつもよりも仕事に打ち込んでいった…
彼女の事など
考えてる余裕を与える暇もない程に
彼女を視界に入れる事すらせずに
着々と準備を進め…
準備は万端だ…抜かりない。
こうして大会当日を迎える
彼女が彼等と画策している事にも気付かずに…