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〈HQ〉いいなりマネージャー【稲荷崎/R18】

第5章 霜天のブルーデイ《短編》




〈 No side 〉



吐息が白く染まりはじめ、紅衣を纏った樹々がその木の葉をはらりと散らせるようになった。

吹きつける風がひんやりと冷たく、身体から熱を奪っていくようになった頃。




マネージャーが風邪をひいた。






澄みきった寒空の下、朝練へ向かう途中で合流したいつものメンバーと談笑しながら歩いていると、





へっくしょんっ!





少し大きめなくしゃみがひとつ。





『ゔう、寒気する…』




治「宇佐美大丈夫か?」



銀「最近寒くなってきたしな」



侑「にしても色気のないくしゃみやな」



角「なんとかは風邪ひかないって言うのにね」




『…ちょっと?』




治「でもこの前ツムがひいたから、それ嘘やんな」


侑「うっさいわサム!」


銀「てか、侑のがうつったんちゃう?」



『あり得る…』



治「最低やな、ツム」



角「同意」



侑「だーーッ!何なんお前ら?!すまんて!」



ア「喧しいわ侑ー!」




冷たい空気と相反するように、熱量のある議論を繰り広げていると、後ろから歩いてきていた先輩の尾白から喝が入る。


朝から騒がしい一行が体育館に着くまであと少し。



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