第4章 終わりのないメランコリー《宮治》
〈 side 治 〉
宇佐美穂花。
俺ら稲荷崎高校男子バレー部のマネージャー。
女子の見た目とか興味ないけど、俺が見てもかわええ顔しとると思う。
その外見に加えて、割と抜けてるところもある。だから周りから言い寄られてることもしょっちゅうや。
勉強はそこそこやけど天然っちゅうんか。良く言えば素直。人を疑うことを知らんから、よく角名に騙されてツムに馬鹿にされとる。
まあそんなところが愛らしいなあ、と思ってしまうのだけれども。
部活中、隣のツムと角名が同じ方を向いている。
その視線の先にあるものは、見るまでもなくただひとつで。
釣られておんなし方角へ顔を向ける。
細っこいし、ちゃんと飯食っとるんやろかとたまに心配になる。
まあ元選手だったこともあり、食の大切さを理解している宇佐美が、食事を疎かにしているはずはないのだが。
みんなで飯食う時もちっこい身体に似合わんほどよく食うしな。
その量についてはさておき、ご飯を食べる時に本当に幸せそうな顔をする。
めしはもちろん大好きやけど、旨そうに食う奴も好きや。見てると幸せになれる。
にしてもあんなに薄い身体しとって、食べた分はどこにいくんやろうか、そんな風に疑問を抱きつつマネージャーの身体を観察する。
細いながらも出るところはきちんと出ているスタイルの良い肢体。
服着とるとあんまし分からんけど、たわわな果実を隠し持っていることを俺は知っている。
誕生会で後ろから抱き寄せた時、僅かに当たってその感触に驚いた。
むっちゃやわっこい。
しかもこれ結構あるなあ。
直にむしゃぶりついたらどんな味するんやろか。
そんな欲望がむくむくと湧き上がった。
部活の時は少し大きめなジャージのため、身体の線がはっきり見えるわけではない。それでも。
尻のラインもええなあ。
どっちも柔らかくて、美味そうや。
あいつ見てると無性に腹減ってくんねん。
テキパキと働いている小さな身体は、俺らの視線に全く気付いていないようだった。
正直、隣のこいつらがどんな感情を抱いとるかは知らん。
ただ確実に気に入っていることはわかっとる。
部員でもマネージャーに好意を持ってる人間は割とおるしな。
一番始めから好きだったのは俺やのに。