第2章 清水 潔子の姉の場合
クルーウェルも自分の親からそう叩き込まれて育ったし、今日まで生きてきて女性という女性(心が女性だと言う人にも)にそう接して来た。
いくら知らなかったとは言え、重たい荷物を持たせてよろよろ歩くに
「何をしてる?
早く来い」
と言ってさっさと先を歩いたり、
「そのサイズの合ってない安物な服はどうにかならないのか?
見てるこっちが恥ずかしくなる」
学園長から支給された服(安売りしていた適当な服)を見て暴言も吐いた。
数々の己の行動、態度を思い出してクルーウェルは穴があったら入りたいという心境だった。
「生徒達が集まってきてるので顔を上げてくださいクルーウェル先生!
私は気にしてませんから!」
土下座しているクルーウェルを立たせる。
そして鼻のいい獣人の生徒達はが最初から女性だと気づいていたのだろう。
ニヤニヤしながらこちらを見ている。
もちろん他の生徒達はこの状況は何だ?と首を傾げている。
そしてクルーウェルは誓った。
(他の教師達も道連れにしてやる)
職員室でこれから起こるであろう阿波絶叫を想像してクルーウェルはニヤリと笑った。
学園長は大粒の涙を流しながらにオンボロ寮から教職員の寮へ移る提案をしてきたし、バルガスは事あるごとに肩や背中を叩いたことに対する謝罪と責任で薔薇の花束を持ってプロポーズしたきたし、トレインは娘が着なくなった服と言って新品の服をプレゼントしてきた。
そしてMr.サムは必要なものがあったら遠慮なく言って欲しいと言ってカタログを渡してきた。
グリムを抱っこしたはその光景に状況判断が追いつかず呆然としていた。