第2章 清水 潔子の姉の場合
クルーウェルは教材が入った段ボール達をと一緒に運んでいた。
(このシミズという青年は頼んだ仕事も疎かにしないし、よく気が利いて礼儀正しい………。
好感が持てるな)
クルーウェルは隣で教材を運ぶを見ながらそう思っていた。
2人が廊下を歩いていると反対側からサバナクロー寮長であるレオナ・キングスカラーがやってきた。
「…………貸せ」
クルーウェルは一瞬何が起こったのか分からなかった。
あのいつも気怠げな態度のレオナが、クルーウェルが教材を運べと言ってもやらなかったり、同じサバナクロー所属の2年生のラギー・ブッチに代わりにさせたりするレオナがの持っている教材を代わりに持とうとしている。
クルーウェルは目が悪くなったかと思った。
「大丈夫だよ。
これは私の仕事だから」
はそう笑って断った。
レオナはため息をつくとから無理矢理教材を奪った。
「あっ!
ちょっとレオナくん!」
「何回も言わせんな。
女ならこういう力仕事は男を顎で使えって言ってるだろ」
クルーウェルはレオナの言葉に頭がフリーズした。
「ステイ…………。
キングスカラー…………今何と?」
「あ"?
力仕事は男を顎で使えって言ったが?」
クルーウェルの質問にレオナは眉間に皺を寄せた。
「違う。
その前だ」
「何回も言わせんな?」
「違う。
その後だ」
「女なら」
「女?」
「女」
クルーウェルとレオナの会話が終わり両者の沈黙が続く。
その空気にはどうしたらいいんだとクルーウェルとレオナを交互に見る。