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【イケメン戦国】雑記こもごも—短編集―

第6章 悩み悩まし(家康)


「家康、考えがすれ違ってたのは分かるけど、私……」
「反論は駄目」
夜長の言葉を遮って口づけ、きっぱりと言う。
「あんたの言いたい事は分かってる。困らせたくなかったからとか、子供の事を今から話題にしたら俺が戸惑うと思ったとか、子供が欲しくないなんて誤解だとか、そんなとこでしょ?」

まさしくその通りのことを言われ、夜長は小さくうなずくしかない。
家康の口づけは最初から容赦が無く、熱い吐息と濡れた舌に口腔をあますとこなく舐められ、何度も舌を絡めとられ、吸い上げられる。
「っ……んっ……!ふあっ……」
「可愛い声。着物が邪魔過ぎる」
喉で小さく嗤い、言葉通り邪魔な物をどける様な乱暴な手つきで帯を解き、軽々と夜長の背に腕を回して帯を抜き取ってしまう。

「えっ?家康、ほんとに今、するの?」
戸惑って反射的に着物の袷を押さえる夜長の両手を片手でまとめてしまう。

着物を暴いて、いくら触れても飽きないしっとりとした、誘うように甘く薫る肌に触れた。

「当然でしょ。夜長も運が良ければ今夜で悩みが無くなるよ」
にやりと嗤う。
「そのくらいいっぱい抱いてあげる。あんたが音を上げても許さないから覚悟して。本気で孕ませるつもりで抱くから」

唐突で、それこそ憚らない言葉で宣言する家康に夜長は動揺がおさまらない。
恥ずかしいけれど嬉しい、嬉しいけれど気持ちの準備が出来ていなさすぎる。

「……昼間で、ここ、書庫だよ?」
「そんなこと言われなくても分かってる。でも俺はあんたみたいに薄情じゃない。いつだって抱きたいし、どこででも構わない。恥ずかしいことじゃないし、あんたの体温、気持ちよくて好きだから」
やわらかな胸の膨らみに触れながら、困惑する夜長の頬に口づけて言う。
「……家康も、ずるい」
泣きそうに目を潤ませて言う夜長は、家康からすれば煽っているだけだ。

「どこが?」
「……そんな風に言われたら」
「なに?」
甘いく濡れた声で囁くように言われると家康はますます身体が熱くなる。
「……何も考えられなくなっちゃう」
一瞬家康が目を眇め、「ほんとにさ」と小さく言う。
「俺はもうとっくになってるよ。今更、遅い。遅すぎる。」
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