第5章 跋―振り駒狂い—
「……もう、良さそうだが。いいか?」
そっと尋ねると頬を紅潮させ、頷くが愛らしく、もう一度口づける。
「それなら、今宵も俺の勝ちだということにさせてもらおう」
本当は敗けを認めているが、に気付かれて下剋上を日常的にされては男として立つ瀬がない。
甘い声で言いくるめて温かく潤った蜜壺にゆっくりと猛る自身を埋める。
何度繋げても強く締め付けてくるやわらかな肉壁をこじ開け、押し開く感触が好きだ。
身体だけでなく、心をも暴いた気分になれる。
何度も愛らしく喘ぐに口づけながら全てを押し込む。
濡れた粘膜が擦れ、締め付けられる感触。
長く焦らされた為、思わず達しそうになるが、深く息を吐いて堪える。
「……っは……あ」
「全て、お前の中に埋まった。……もっと早く繋がりたかったというのに、お前に愛らしく焦らされてしまった」
優しく不満を言うと、は困った顔で小さく「申し訳ありません」と言う。
言葉を交わす度に中がキュウキュウと締め付け、吐息と同じく謙信を悦ばせる。
「愛しいお前がする事はどれも許せる。その代わり、俺のする事も許せ」
不適に言い、ゆっくりと揺らす。
「あまり持ちそうにないからな。一度俺の物で中をもっと熱くぬめらせてから、ゆっくり味わい直してやる」
謙信の獣性が強まった瞳の揺らぎにの身体が煽るように切なく鳴き、謙信は一度最奥を強く穿ち、吐精した。
突き上げられた際にも小刻みに痙攣し、謙信の腕に縋りついた。
普段より熱く濡らし、それでも余韻が収まらず、中で何度も精が小さく吐き出される。
「……俺の物だ、」
愛おしい名前を呼び、抱き締め直し、猛ったままの熱を深く押し付ける。
の腰も魚のように跳ね、中も痙攣の名残に揺れている。
「……はい。もっと、あなたの物にしてください」
散々喘がされて甘く掠れた声が言うと、謙信は「本当にお前は俺を煽る」と笑い、口づけずにいられない。
の細越に腕を回してより深く繋がるように角度を変えた。
何度でもここで爆ぜたいという本能に支配された身体の熱が重くなり、もっと穿ちたいと頭に血が上る。