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【イケメン戦国】徒然後日譚―短編集—

第5章 跋―振り駒狂い—


軽々と上体を起こして恥じ入るの頬を撫でた。
「お前は兵糧攻めは上手かったが、詰めが甘くては返り討ちに遭うぞ。一騎討にしても相手を限界まで高揚させて首の取り方が分からないときては、あっさり自分の首を取られると覚えておけ」
「……勉強になりました。その……、介錯(かいしゃく)をお願い出来ますか?」
「作法に則ったねだり方に免じて情けをかけてやろう」
苦笑して口づける。

どこまでも可愛らしい事を言い、なにもかも愛おしい気持ちにさせるに謙信は内心ではとっくに降伏している。

もう限界ではあったが、優しく指で愛でてやり、丁寧にほぐしてやる。
やはり自分の身体でを鳴かせるのは堪らなく高揚する。
蕩け切った蜜壺を指先で確かめ、花芯をゆるく撫でてやる。
舌を何度も絡ませる口づけを繰り返し、の細腰が揺れ、華奢な肩が震えるのを身体で感じ、胸にも唇を付ける。
どこも触れ足りなく、いつまでも続けていたい気持ちと、早く繋げて重くなった腰の熱を解放したいという欲求がせめぎ合う。
中指をゆっくりと差し入れ、親指で花芯を擦ると愛らしい声を上げ、蜜壺の中がぎゅうぎゅうと指を締め付けてくる。
この中に早く入りたいと思いながらも、の身体を手荒くは扱えない為、口づけや肌を味わうことでを鳴かせ、欲望を我慢する。

自分がされてみてが涙目に「もうおかしくなりそうです」と言うのもよく分かった。
勿論どちらの態勢でも狂いそうに欲情はするが、性分としてどうしても受け身でいるのは物足りないのだ。
例えを上に乗せたまま繋がったとしても、を苦悶させる程に突き上げ、結局は力に物を言わせて味わい尽くしただろう。
の性格からして主導権を握ってやり遂げるには寛容すぎる上、体力も持つわけがない。
けれど、積極的に求められるのは心地が良いのも真実だった。
そして何より、思いの外が煽情的で技巧的な愛し方をして来ることに怯んだ自分が意外だった。
馴れない事をされると戸惑うものだ。
捕食者で在り続けたせいで捕食される側の気分を味わうのが初めてだった。
であれば捕食されても構わないが、出来ればもっと奪いたいという我儘を捨てきれない。

とはいえ、魂は既に捕食されている。
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