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闇・色

第2章 近づく距離


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あーやばい
もう十分飲んだ
景色も堪能した
家に帰ろう…
と納得して立ち上がったがふらつく。

気持ちがいい
いい感じに酔えているとはこのことだ
いや、これはちょっといきすぎたか

そんな私をみかねて、銀髪の男が隣にきて、こけそうになったところを支えてくれた。

「危ないでしょ。…送っていくよ」

こーいうときは、素直に甘えるべきか。

「…じゃ‥お願いします…」



その男は、はたけかかしとなのった。
これがこの里の有名なコピー忍者のかかしか。
名前だけきいたことある。

あなたが名乗るならばと私も、サキと名前をつたえた。
ポツリ、ポツリとお互いに関して話し始める。

どうやらかかしは暗部から任をとかれ、下忍を育てる担当上忍になるようだ。

元暗部か…
どうりで同じ忍び同士でも面識がないわけだ。
それになかなか厳しい人生を歩んできたであろうことは予測がつく。
忍びならではの闇がこうして彼の左胸に深く刻み込まれているのであろう。


正直初対面ながら彼にはとても興味がわいた。
いや、彼と彼の闇に興味がでたというほうが正しいか。
でも心の闇は、きっかけはつくってあげれても、結局は自分の心と向き合っていくのは彼自身である。

かかしは、わたしを軽く支えながら、ゆっくり一緒に歩いてくれた。
こんな初対面の酔っ払いに、優しいやつだ。



己を保つことに必死で、夢中になって歩いていると、あっという間にアパートの前に到着した。

「かかし、あの…今日はありがとう」

「うん、いいけど…飲みすぎもほどほどにしなよ」

そういって、眉を下げてかかしは笑った。

あ、そんな風に笑うんだ。

「かかし…初対面でいうのもなんだけどさ…顔…見せてくんない?」

「…!?…な、なんで?」

「なんでって、かかしの顔みたら、なんかもっと感じれるかなって‥思ったから」


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