第7章 色
「さき、手かして?」
そう言ってにっこりと笑うかかしに、若干不信な気持ちが湧いてくる。
「?…いいけど、なんで?」
「いいから」
そういわれて、おずおずと左手を差し出すとかかしにぎゅっと握られた。
「!?」
ドクン!と自分の体が跳ね上がり、体全体が火照る__
びっくりしたのち、恐る恐るかかしを見ると、彼は私の考えをみすかしたように今度はニヤリと笑った。
「さきって自分のことに関しては鈍感でしょ」
そういうかかしは楽しそうだ。
やられた…
握られた手から、かかしの暖かいチャクラが流れ込んできて、私のチャクラとピッタリ融合した。
お互いが好意をもってなければ、ここまで反応しない。
それに、彼を今覆っているのは愛情の色。
送られてきたかかしのチャクラが彼の気持ちを代弁し、私の細胞レベルまで伝えてくる。
人の心に関しては、敏感にわかるくせに恋愛感情となるとほんとに鈍感だ。
それに、今はかかしがあれからどうなったか…というほうが気になって、かかしの私に対する気持ちも、私がかかしに対する感情についても意識してなかった。
動揺する気持ちを隠しながらも、一息、ふぅっ…と吐く。
「まんまとチャクラの融合で私の気持ち感じ取られたってわけね。勘違いしないでよ?とりあえず…気になるっていうことに…しとく…」
そう自分の気持ちをなんとか隠そうとする私に、かかしは笑って言った。
「サキは俺の今の色も見えてるんでしょ?それにここまでチャクラの融合するの感じといて、何、意地はってんの(笑)疑うならその眼で俺の心まで見たらいいよ」
「そ、そんなの…見なくてもわかってるけど……ほんとこんな酔っ払いの何がいいんだか」
待ってよ、ちょっと恥ずかしすぎてかかしを見てられなくなってきた…