第4章 サキの術・少年時代2
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「サキ…俺の中…見てる?」
「小さな君には…わかるのかな…」
「…うん…サキって、きっと心の中見えるんでしょ?
今も…俺を見てるけど…俺の中に入ってくる感じ…」
「大きくなった大人の君と違って、小さなかかしは敏感だね。ふふっ。私はね、ちょっとだけでもいいんだ、かかしの重荷を、一緒に背負いにきた…」
そう言って、小さい君の綺麗な素顔を見たあと、左目を開けてもらう。
写輪眼は、赤く血のように光っていて、でもそこから放たれる光は悲しみの色だった。
でもその奥には何か強い気を感じる。
「オビトくんの意志が…目に宿ってるよ、かかし」
そういうと、かかしは目を見開いた。
「かかしが一緒に過ごした中で、オビトくんのはっきりした意志をかかしは聞いてるよね?」
「うん…ちゃんと、はっきり…覚えてる」
「それが、この眼の奥にちゃんと宿ってるよ。でもかかしの悲しみと苦しみが大きくて、それがすごく小さくなって、奥にはいってしまってる」
「消えちゃう…ってこと?」
不安そうになる君に私はゆっくりとさとす。
「かかし、この眼はオビトくんとその心そのものだよ。
その意志を守れるのもかかしだけ。わかるね?
君と彼は、一心同体」
そういうと、不思議なことに左目の写輪眼だけから、突然ボロボロと涙がこぼれた。
「!?オビト…オビトごめん。
ごめんね…俺、…っ…ちゃんとお前の意志‥継ぐから…」