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兄と妹【18禁】

第5章 いらっしゃいませ、御主人様




時は十月。


私の学校では文化祭の準備が着々と進められていた。



「柚可愛いじゃん!」



何でも私のクラスはメイド喫茶に決定となり、
そのメイド担当に任命された。




「ちょっと、スカート短くない…?」

「大丈夫大丈夫!屈まなければ見えないって!」




ディスカウントショップで購入したのは、
胸元がハート型に空き、ニーハイソックスにフリルがついた黒のメイド服。





ーーみんな他人事だと思って…!





「可愛いじゃないか神崎」




放課後の教室で準備中の私達に声をかけたのは橘だった。







「でしょ〜!我がクラスにピッタリの役じゃない!?」


「そうだね。宜しく頼むよ神崎」




橘の姿に友達数人が目の色変えて近寄り甘い声を出す。



当然その姿は表の顔で、
本来の顔を知る人間はいない。





私はバツの悪そうに橘から目線を逸らした。






兄と映画館で会って以来、橘は私の体に触れなくなった。



勿論それはよかったなと思う反面、
何かを企んでるんじゃないかと不安になる。




それにはっきりと断るキッカケもないままで、


私自身の区切りもなかなかつけられないままだった。




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