第4章 止められない感情
快晴が広がる青い空。
日曜日の都心は沢山の人間で賑わっていて映画館もとても混雑していた。
「売店行ってくる。そこで待ってて」
少し行列している売店へ兄が向かう後ろ姿を見守る私。
胸を強調するピッタリとした半袖ニットに、
股下二十センチ弱のミニスカート姿だ。
兄の要望通り下着は身につけていない。
乳首が立てば当然周りから見ればすぐバレるし、
前に少し屈んだだけで尻が丸見え状態。
下着を履いていないせいで下からの風がスースー入ってくるので、それだけで体が敏感に反応してしまう。
「…」
周りにいる男性の目がつい気になってしまう。
もしかして変な目で見られてるんじゃないかと、不安感と妙なドキドキ感で頭がいっぱいになりそうだ。
「お待たせ」
兄が両手に食べ物を持ちながら私の元に帰ってきた。
私は咄嗟に兄の腕にしがみついた。
「早く中に入ろ、もう恥ずかしいよ」
顔を赤らめながら上目遣いで兄を見上げると、
分かってる。とそのままシアタールームへ歩き始めた。
私達の座席はカップルシートで小さなボックス席になっていた。
場所も一番後ろの壁際で他の座席とはまた隔離されたような所だ。
「今の映画館ってこうなってるんだね」
「プレミアシートなんか一席三千円するらしいぞ」
「え、マジ。凄い…」
最近の映画事情を知らない私にとって、
兄の話には驚きの連続だ。