第2章 快楽と共に
ーー両親は事故死だった。
俺がまだ高校生、柚がまだ四才の時。
一途期は親戚の家に預けられたが俺が社会人になってからは共に二人暮しする事になった。
仕事をしながら柚の面倒を見るのは大変だったけど、
いつも柚は俺の我儘もいいつけも守ってくれる子だった。
中学生になり、高校生になって、ゆっくりと大人になっていく姿を目の当たりにしながら、
その容姿はどんどん輝きを増していく。
気づけば柚を妹としてではなく、
一人の女性として好きだという事に気づき始めていた。
しかし俺は家族であり、血の繋がった兄だ。
この気持ちは一生胸に閉じ込めたまま生きていく事を決心していた。
だが、あの一件で溜まっていた感情が抑えきれなくなって、
そのまま柚を抱いてしまった。
まさか、相手も俺と同じ気持ちだったなんて…。
女には困らない生活だった。
しかし何人抱いても頭から柚が離れなかった。
いや、寧ろ頭の中では柚とセックスしているような感覚だったのかもしれない。
頭が可笑しいのは百も承知。
実の妹に恋愛感情なんてあり得ない事だ。
しかし好きになってしまった。
愛してしまった。
もう、止められなかった。