第28章 巡り会い
「はい?初対面ですけど…」
「よく見せろ」
と言って近づいてくる
「わっちょっ近いです!
離れて下さい!!」
慌てて逃げても
すぐに追いつかれてしまい
壁に追い込まれた
「逃げるな」
「そ、そんな顔されても
無理なんです!」
精一杯の抵抗で横に顔を向ける
すると帰蝶の長く白い指が
来実の頬を触れる
「!?!?」
(どうしようどうしようっ)
逃げ口を探しながらわたわたしていると
帰蝶はハッとして呟く
「矢張り、お前だ」
「え…?」
目をぱちくりさせていると
帰蝶はふっと笑みを零す
「俺を覚えていない…か」
顎を持ち上げられて
つい顔が赤くなる