第28章 巡り会い
ドクンドクン…
(お前もって…)
「な、何のことでしょうか」
「しらばっくれても無駄だ」
「貴方"は"時を超えたのですか?
この時代の人じゃないの?」
「俺はこの世で生を受けた」
「…未来に行ったのですか?
それとも過去?」
「お前の言う未来だ
大方お前はその時代の人間だろう」
「…っ」
(誤魔化せない…か)
こくりと小さく頷く
(でも…)
ひとつ疑問が湧く
「どうやって戻って来たんですか?」
「……戻りたいのか?」
「…其れは」
(あの時やっと分かった私は)
「此処だ」
と言って部屋に入らされる
「此処は?」
「俺の部屋だが?」
じっと見つめられて
居心地が悪くなる
ふいっと目を逸らすと
「何処かで会ったことがあるか?」