第25章 返事
謙信から目を逸らせないでいると
ふと足元にふわふわした感触が
走った
(ん?)
「わぁ!」
真っ白な兎が沢山集まってきた
「随分沢山いるんですね」
「変だな餌は持ってきてないのに
この時間に集まってくるとは」
「謙信様に会いたかったのでは?」
「ふ、おかしな事を」
「触ってもいいですか?」
「ああ」
(ふわふわもふもふ!)
「ふふっ可愛い」
「俺ではなくお前に
会いに来たようだな」
「へ?」
「お前たち来実が埋もれる
少し離れろ」
気がつけば来実の周りは白で
埋め尽くされていた
謙信はひょいっと1匹抱えると
わらわらと跳ねて行った
だがここから離れる気はないようだ
「来実は動物にも好かれるようだな」
「昔から動物が寄ってくるんですよね
…にもってどういうことですか?」