第22章 春日山城
「安土で針子をしていたので
できればその仕事をしたいの
ですが無理なら掃除でも…」
「分かった
針子の仕事をお願いしよう」
「ありがとうございます」
「姫なのだから
何もしなくていいのではないか?」
「部屋も与えてくださっているのに
甘えられません
何より皆さんの役に立ちたいんです」
「そうか…」
(矢張り面白い)
「宴を開くぞ」
「そうだな来実の歓迎を兼ねて
派手にやるか」
「あの…そんなことしなくても」
「大丈夫だよ謙信が
お酒飲みたいだけだから」
「お酒好きなんですね」
「来実は部屋で待っててよ
準備が出来たら俺が呼びに行くから」
「手伝わなくていいですか?」
「主役なんだからしなくていいよ
色々あって疲れただろうし
一人になりたいでしょ?」
「ありがとうございます義元さん」
そう言って広間を出て部屋に戻った