第4章 色々と問題はありそうです
「また会ったな! 飛行術もこのオレが担当する!」
運動場には体力育成の担当・バルカス先生がいた。 先生だけではなく別クラスの生徒の姿も見える。
B組の生徒達の中には見知った顔がいた。 エペルだ。
「飛行術はA組とB組の2クラスで合同授業だ! まずは二人一組で準備運動!」
それぞれ二人組が出来ていく中で、まだ誰とも組んでいないエペルに声をかけた。
『エペル!』
「あ、ウテナサン」
『良かったら私と組まない?』
グリムとは準備運動できないので私も誰かと組む必要がある。
私とグリムの問題児(グリムだけ)ペアと組みたがる人がいないため、顔見知りのエペルがいてちょうど良かった。
「うん、僕で良ければ」
笑顔で応えてくれるエペル。 やっぱり可愛いなぁ。
「よ!」
「あ、エースクン」
私&グリムとエペル、エースとデュースで組んで準備運動を始める。
そういえばエースもエペルと知り合いだったんだっけ。
入学式で知り合ったって言ってたけど、まさか女の子だと思ってナンパしたとか。
「エース、他寮、しかもクラスも違う人とどうやって知り合ったんだ?」
「入学式を一緒にサボった」
「よく寮長に首をはねられなかったな」
入学式をサボるってエースはともかくエペルは意外過ぎる。
「始めまして。 僕はエペル・フェルミエ。 よろしくね」
「僕はデュース・スペード。 よろしくな、エペル」
デュースとエペルの自己紹介が終わった頃にバルカス先生から集合の号令が掛かる。
「今からお前たちに箒を与える。 飛行術で毎回使うことになるから大事に扱うように」
パチンっと先生が指を鳴らすと自分の真横に箒がどこからともなく出現した。
『いきなり箒が! これってどんな魔法なの?』
隣にいるエペルに尋ねる。
「召喚系の魔法かな? かなり難易度の高い魔法だよ」
『そうなんだ。 かっこいいな~』
魔法に種類とかってあるんだ。
他にはどんな種類があるんだろう。 時間ができたら図書館で調べてみようかな。 まぁ、魔力がないからどうせ使えないけど。