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【ポケマス】パシオで恋して

第4章 Ever green③



洞窟内は不気味なほどひっそりと静まり返っていた。

パシオには、野生のポケモンがいないというのは、どうやら本当だったようだ。

おつきみやまで、よく岩とイシツブテを間違えて踏みそうになり怒らせて逃げ回ったりしたけど、ここならその心配がなさそうだ。

しばらく道なりに進むと、薄暗い中に薄紫色をした炎の松明が見えてきた。

どこか幻想的な道標に導かれ、さらに進んでいく。

すると、小さな人影が2つ、影を揺らめかせ私たちの前に立ちはだかった。

その人影には見覚えがあった。

「そのシルエット、もしかして…」

私が声を発すると、辺りの松明が炎を一層強く揺らした。

明るさを増した松明が、2人の顔を照らし出す。

「よく来たね!」

「あなた達がいちばん目の挑戦者だよ!」

同じ背丈、幼い声。

青色のチャイナ服に身を包んだ2人は、テンポよくカンフーポーズをきめて私達を出迎えた。

トクサネジムのジムリーダー、フウくんとランちゃんだ。

チャレンジしたからよく覚えている。

2人は抜群のコンビネーションで相手を翻弄する、エスパータイプの使い手だ。

「ダブルバトルのジムリーダーか。まさに大会にうってつけだな」

グリーンは腕組みをし、嬉々とした表情で2人を見据えた。

「「ぼく(あたし)達の試練はポケモン勝負はしないんだ」」

「じゃあ試練って一体なにをするの?」

「「ぼく(あたし)達のキズナ試練は、2人のコンビネーションを確かめるよ!」」

「「さぁ、誰よりも早く、強いキズナでゴールへたどり着いてみせて!!」」

2人が互いの手を合わせると、空中に色鮮やかなタイルが現れた。

鮮やかな輝きを放つそれは、洞窟の雰囲気には似つかわしくない。

出現したいくつものタイルはくるくると移動しながら、等間隔で2列に配置され、赤、青、緑の点滅を繰り返し始めた。

左右で順番がバラバラなのが何か意味がありそうだ。

「強いキズナ」でということは、左右に分かれてタイルの色を合わせて2人で跳ぶということだろうか?
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