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蒼き龍の逝きる意味

第8章 遊郭編


<NOside>

善逸、伊之助、焰は屋根の上へと
堕姫を追いやり対峙する。

ダンッ!

堕姫「お前…!!あの時の!!」

善逸を見て堕姫は青筋を立てながら
声を大きくした。

善逸「俺は君に言いたい事がある。」

眠ったままの善逸は只々冷静に
堕姫に顔を向けて言い放った。

善逸「耳を引っ張って怪我させた子に謝れ。」

その声には怒気が混じっていた。

善逸「たとえ君が稼いだお金で衣食住与えて
いたのだとしても、あの子達は君の所有物じゃない。
何をしても許される訳じゃない。」

その言葉に堕姫は更に青筋を立てる。
自分に意見した善逸が気に食わなかったのだ。

堕姫「つまらない説教を垂れるんじゃないわよ。
お前みたいな不細工がアタシと対等に口を利けると思ってるの?
この街じゃ女は商品なのよ。物と同じ。
売ったり買ったり壊されたり、
持ち主が好きにしていいのよ。
不細工は飯を食う資格ないわ。
何もできない奴は人間扱いしない。」

そう言い切った堕姫に善逸はそれでも
冷静に言葉を返す。

善逸「自分がされて嫌だった事は人にしちゃいけない。」

堕姫「違うなあそれは。」

堕姫の声が妓夫太郎と混じり合い、
二重に聞こえる。

堕姫「人にされて嫌だった事、苦しかったこと事、
人にやって返して、取り立てる。
自分が不幸だった分は幸せな奴から
取り立てねぇと取り返せねえ。」

俯いていた堕姫が顔を上げると、
その額には“陸”の文字が逆さまになった
目があった。

堕姫「それが俺達の生き方だからなあ。
言いがかりをつけてくる奴は
皆殺してきたんだよなあ。」

───────────────────────
<炭治郎side>

妓夫太郎「お前らも同じように
喉笛掻き切ってやるからなああ。」

ブワァッ

すごい殺気だ!!
肘から首まで鳥肌が立つ!

当たり前だろ、相手は上弦の陸だぞ!!
しっかりしろ!!

宇髄さんは毒を食らってる、俺が守らないと。

炭治郎「(アイツが動いた瞬間に刀を振れ。
ほんの少しでも動いたら
その瞬間に──────)」

ズァ─

目の前に鬼が近付いた。
目で追えて、頭で理解できたが
体が追いつかない。



振れっ!!刀を振れ!!

避けろ避けろ のけ反れ!!のけ…
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