第8章 遊郭編
<NOside>
【藤の花の家紋の家】
“この家紋の家の者は鬼殺隊を無償で
手助けしてくれる”
宇髄「アレとコレとソレ」〈偉そうに指図〉
・
・
・
・
宇髄「遊郭に潜入したらまず俺の嫁を探せ。
俺も鬼の情報を探るから。」
出されたお菓子とお茶を食べている炭治郎達に
唐突にそう言う宇髄。
善逸「とんでもねぇ話だ!!」
宇髄「あ゛あ?」
嫁という言葉にキレた善逸は宇髄が上官なのを
忘れて更に続けた。
善逸「ふざけないで頂きたい!
自分の個人的な嫁探しに部下を使うな!!」
宇髄「はあ!?何勘違いしてやがる!」
善逸「いいや言わせてもらおう!
アンタみたいに奇妙奇天烈な奴は
モテないでしょうとも!!
だがしかし!!鬼殺隊員である俺達を
アンタ、嫁が欲しいからって!!」
あまりの言い草に更に怒りが爆発した宇髄。
大人気なく怒鳴りつけた。
宇髄「馬ァ鹿かテメェ!
俺の嫁が遊郭に潜入して鬼の情報収集に
励んでんだよ!!
定期連絡が途絶えたから俺も行くんだっての!」
その言葉に善逸は口を一旦閉じる。
がしかし、すぐに頭のイカれた奴を
見るような目で宇髄を見ると、
善逸「そういう妄想をしてらっしゃるんでしょ?」
と、一言。
宇髄「クソガキが!!」
これには宇髄も語彙力低下の一言。
そして、どこからか出した手紙の束を
善逸にべべしべしべし!!とぶつける。
善逸「ギャーーーッ!」
その多さに、炭治郎は戸惑う。
炭治郎「随分多いですね。
かなり長い期間潜入されているんですか?」
これだけの量だ、と炭治郎は推測。
しかし、次に言われた言葉は衝撃的だった。
宇髄「三人いるからな、嫁。」さらり
この言葉に善逸が反応しない訳がなく、
善逸「三人!?嫁…さ…三!?テメッ…テメェ!!
なんで嫁三人もいんだよざっけんなよ!!!」
そう言うとすぐに宇髄の拳が善逸の腹に
綺麗に入った。
あまりの衝撃に善逸は畳に倒れる。
その様子に元々静かだった焰以外の
全員が更に大人しくなる。
炭治郎「あの…手紙で、来る時は極力
目立たぬようにと何度も念押ししてあるんですが……。
具体的にどうするんですか?」
それでも炭治郎は任務の為に、宇髄に問う。