もしも蒼月潮が大人しめの女の子だったら……【うしおととら】
第1章 どうしてこんなことに……
「おのれえぇええぇえ!!この石喰いがああ!!こんなとろこでええええ!!」
石の鎧が割れ、中から気味の悪いムカデの頭が2頭飛び出す。何度見ても…気持ち悪い。100年も生きた大虫怪だというのなら、なおさらだ。
空中に飛び上がった私たちは、それを上から見ていた。
「こいつはムカデの変化ってんだ、おぼえとけ。
今度はしくじるなよ!ツノのある大ムカデは
左目_____槍に唾つけてぶっ指しな!変化は人の
唾に弱いんだ」
わしもとうとう人間の手助けかいっと少し不機嫌そうだ。
「……ありがと!」
「…………チッ」
オバケの腕から手を離し、落下していく。少しはしたないが、やむを得ずということで唾を吐いた。ああ、でもやっぱり何回見ても、この細長いフォルムは__________
「………苦手だね」
ドヒョッ!!
まずは一頭の左目。もうひとつ、もう一頭。
「おのれ、おのれええええ!!!」
ギョンッ!!
「…終わったか」
「まだ……!」
旧校舎。女子生徒の石像がある場所へ飛び上からおもいきり切りつける。パキッと亀裂が入ったと思えば、覆われていた石は派手に砕け散った。
生徒たちの驚愕の表情が目に入る。
「……あっ、裸…こらオバケ見ないで!帰るよ!」
「ああ?言われなくたってわしはもう疲れとるよ!それよかわし、"てれぴ"に入れるのか!?」
「ばっちり入ってるよバカ!」
オバケの腕に飛び付き、空を飛んでいく。地上に降りたら記者や警察に囲まれて、面倒くさいことになるだろう。空をとんだ方が…少し怖いけど幾分かマシだ。
______だれ?あのひと……
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「そういや、うしお」
「…ん、なに」
「お前、石喰いのとこに行く前、何か言いかけたろ。
何を言おうとしたんだ」
空を飛びながらオバケが聞いてきた。獣の槍を使いすぎたせいか、かなり疲れていた私は返事が少し遅れてしまった。
「……名前、オバケじゃあんまりかなって……」
「あん?」
「"とら"とか、どうかな…見た目そっくりだし……」
「なっ…!とらだあ?いやだぞそんな名は!」
「つべこべ言わない…やかま…しい」
ダメだ、睡魔が_______________