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短編集 オムニバス

第3章 鬼滅の刃「柱と鈴」夢小説


「逃げるんだああああ!」

「お父様!きゃあああ!」

目の前で家族が殺られた
最初は泥棒かと思った、何故なら家に現れた男は人の姿をしていたから
お父様の体を貫いた右腕は赤く染まっている
その時人間ではないのだと察した
その男はゆっくりと角で怯える私に近付いてきた

「生きたいか?」

恐怖で声が出ない

「この私無惨の下婢となり身を尽くせ」

いや……

鬼になんかになりたくない!
杏寿郎さん……助けて───



ああ……無惨様は知っておられたんだ
私の過去を、私が彼を思っていたことを
私が柱に勝てないことも、全て

杏寿郎さん、有難うございます、そしてごめんなさい
慙愧に堪えません
貴方を殺さないで良かった、私を止めてくださったこと感謝しております
もう簪を持つことは出来ないけれど、貴方をずっと……



リン


「この鈴簪とても優しい匂い、すごく暖かいです」

「竈門少年、その簪、俺にくれないか」

「え?はい……どうぞ」

「おーい!炭次郎ー!」

「善逸!伊之助!」

「何かあったのか?」

「今しがた上弦の鬼を煉獄さんが倒したところで」

「上弦の鬼!?ひぃぃぃぃ!」

「何で俺様を呼ばねぇんだよ!!」

「強かったんだぞ!煉獄さんが必死に戦ってくれたんだ!」

「俺様だったら数秒で殺ってやったぜ!────」



「身が振るうほどの悔しさはもう体験したくないものだ。、お前は私に失望していないか。助けてやることが出来なくてすまなかった……あの時伝えるべきだったんだ」



杏寿郎さん


「っ!?」


リン


「はは……の術にでも掛かっているのか」



リン


いつまでも

好いております、杏寿郎さん


「……俺も好きだ、いつまでもずっと」





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