第4章 未来なんて【ジェイ監】※微裏(裏)
「…そんな事、無いです」
「え…」
「たしかに記憶は無くなりましたが、私は貴方のことがとても大切で、大好きでした。それだけは言えます」
「…ユウさ……」
「記憶が無くなっても、私はジェイド…先輩、が好きです」
「…っ」
「ごめんなさい。明日、私は元の世界に帰ります。」
「ユウさん…っ」
「すみません。今日はもう離れて下さい…どうしても、貴方を見ていると辛くなるんです。」
「…こちらこそすみません。では、ゆっくりお休みになって下さい。…」
「はい。では。」
くるりとジェイドさんに背を向け、走った。
溢れる涙が、頬を伝う。
なんであの人は、責めないんだろう。
どうしてみんな、私をこんなにも想ってくれるんだろう。
なんで私は、大事な人の記憶を無くしてしまったのだろう。
もう、なんだっていいか。
「どうせ、明日から会えなくなるんだから」
どうせ、私が帰れば皆んな私のことを忘れる。
それでいいんだ。