第4章 未来なんて【ジェイ監】※微裏(裏)
「すっすみませっ……止ま、なくてっ…」
「良いんです。ゆっくりで」
「っ…………」
ジェイド先輩は涙を拭ってくれるけど、拭っても拭っても涙は止まらない。
少し寂しそうな顔をしながら、先輩はゆっくりと私を抱き寄せた。
「ユウさんに何かあっても僕がそこに居てあげることが出来ないのが辛いです…」
「っひぐっ………っ…」
「何があったかお話して貰えませんか…?」
「すみ…ませんっ……少し整理する時間が欲し…のでっ…」
「…ええ。いつもでも待ちます」
『いつまでも』
1週間以内にジェイド先輩に別れを告げなければいけない。
別れを告げずとも、会えなくなる。
学園長は何も言っていなかったけど、万が一記憶が無くなったら。
けれど二度と会えないなら別れなくてもいいのか。
「…先輩」
「なんでしょう?」
「オンボロ寮に泊まりに来ませんか?」
「…おやおや……それはお誘いということですか…?」
「…はい」
するとジェイド先輩は軽く目を開いて、耳元でそっと呟いた。
「では、金曜の夜に」
「っ……!」
企みがあるにしては、瞳が切なげに揺れていた。