第2章 有り触れた日常
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ライ「よし、じゃあまた明日な。」
女子兵舎の少し前でライナーは彼女の手を離した。ゆっくりと離れるその確かな感触に何処か寂しさをも感じる。
「うん、本当にありがとう、ライナー。」
ライ「もう、着いてくんじゃねえぞ。」
「うん、気をつける」
ライ「俺が助けに行ける距離にいろ。」
「っ…………」
ライナーのその言葉には言葉を詰まらせる。愛の告白のようにも思えるその発言が、の身体中を熱で溶かしていくようで。
その何とも言えない表情にライナーは今自分が言った言葉の意味を理解した。
ライナーの顔までボッと赤く染まり、これは違うぞ、なんて言い訳の言葉が溢れ出る。
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「分かってるよ」
その時に切なそうにそう笑ったの顔はライナーの中で消えること無く永遠に心に残り続けるだろう。
じゃあまた明日ね、そう手を振って歩いていくの後ろ姿が、消えて見えなくなるまでライナーは呆然と立ち尽くしていた。
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