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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第13章 遊郭


我を取り戻した炭治郎が、口を開く。

「光希、久しぶり。綺麗すぎて一瞬誰かわからなかった」

純粋培養天然少年はさらりと述べてみせた。


「炭治郎!久しぶりだな!伊之助も善逸も!
あ、綺麗とか、いいから。この人、俺をからかって楽しんでるだけなんだ」
「おいおい、心外だな。俺は光希を気に入ってるから今回声かけたのに」
「……絶対嘘だ」


「この人と知り合いなのか?」
善逸が聞く。

「ああ。何度か任務に同行させてもらって共闘してる」
「俺と光希は相性バッチリだからな」
「仕事はいいんですよ、仕事は!呼ばれればやりますよ!でも何でこの格好なんですかっ!」

「うるせーな、お前だけじゃねぇから安心しろよ」
「はぁ?」
「お前らもこれに着替えろ。光希も手伝え」

宇髄は運ばれてきた服を善逸達に渡す。
着替えさせながら光希は爆笑していた。その姿に、やっと光希本人だと納得した少年たちだった。

「ぷくくく」
「おい、笑うなよ光希……」
「いや、無理、善子ちゃん……くくっ…」

着替え終わって並ばせると、光希は笑いを抑えられない。

「伊之助……いの子ちゃん、可愛い……」
「目に涙溜まってるぞ、お前」

「どうだ?光希。女の子に見えるか?」
「素直な子っぽいよ、炭子ちゃん!」


「よし、まあこんなもんだろ。不細工だがな。元が男だからしかたねぇな」

「宇髄さん、光希も俺たちと同じく店に潜入するのですか?」
炭治郎が宇髄に聞く。

「いや、こいつは違う。光希、お前は俺と来い」

「なっ…!」と善逸が声を上げる。


「こいつを店に潜入させたら、客をとらされる。お前らと違ってこいつはこの仕上がりだ」

それを聞いて、男子三人が息を飲む。

「そんなことになったら俺は冨岡に殺される。ま、殺されねぇけど」

どっちだよっ!とツッコむこともできずに善逸は押し黙る。

「俺は構いませんよ。任務であるならば、必要なことはやります。別に義勇さんにも許可要りませんよ」

「おい、光希」
「いい覚悟だ」

善逸が不安そうな顔をする中、光希は宇髄を見つめる。彼女の音に嘘はない。

「だが、お前を店には入れない。違う任務をしてもらう。歩きながら説明する。行くぞ」

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