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【あんスタ】短編夢小説 

第9章 あなたが見る世界 (明星 スバル)


大海原に面した丘に建つ、私立夢ノ咲学院。

男性アイドル育成に特化し、綺羅星のごとき才能に溢れた若者たちを代々芸能界へと輩出してきた歴史を持つ。

私はそんな夢ノ咲学院に転校してきた。うら若き男性アイドルたちが青春を謳歌する学び舎にプロデューサーとして招かれたのだ。

彼らとともに輝かしい夢を追い求めていく。かけがえのない絆を結んでいく。


「やっほう☆ きみが噂の転校生だな!」

明るくて元気で前向きな太陽みたいな笑顔が私の曇った心を包み込んだ。
真っ暗な世界に光が差し込んだ気がした。

私は理解して、実感した。これがアイドルなのだと。


子犬のように私を出迎えたのは、私立夢ノ咲学院の青いブレザー制服を身にまとった可愛い顔立ちをした男の子だった。

柔らかそうな髪が飛び跳ねておりそのラフさが可愛さを増している気さえする。

「俺、明星スバル!明けの明星の明星であけほし、スバルは片仮名!覚えやすいだろ~♪」

明星スバルと名乗った男の子は笑顔で私の両手を掴んでぶんぶん振った。

「クラスメイトになるんだし、仲良くしよう!友達になろう!よろしく~☆」

私も彼と仲良くなりたい。そう思って私は微笑みながら頷いた。

「やった~☆じゃあ、早速学院を案内するな!」

私の手を掴み、スバルくんはうきうきと小躍りするように学院を案内してくれた。

「こっちだよ、ご案内~☆」

輝くような笑顔を見て、私は泣きそうになってしまったけれど、いきなり泣き出したら彼を心配させてしまうと思い唇をきつく噛みしめた。

返事をしない私を不思議に思ったのか、スバルくんは「ん~?どした!?」と驚いた声を上げた。

「大丈夫?」

無垢な瞳で覗き込んでくる。

『~~~っ!』

近い近いよ!私はこれまで女子校にいたから異性との接触に慣れていないのだ。
私は顔を真っ赤にさせるとスバルくんは小さく微笑んだ。

「心配しなくて大丈夫だよ☆何かあれば俺に頼って!」

キラキラと輝く彼の笑顔に安心したのか、私はほっと息を吐き、頷いた。


私もあなたが見る世界を見てみたい。そう思った。


「うん!やっぱりきみの笑顔は、キラキラしてて、あったかいね☆」

スバルくんは再び私の手を引き、歩き出した。

ぴょんぴょん飛び跳ねたオレンジ色の髪。ぶんぶんと腕を振り回されて私はまた小さく微笑んだ。
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