第8章 Strawberry pafe (朱桜 司)
「いえ、ここのparfaitを食べに」
『!!?あ、甘いの好きなの!?』
意外。と驚いていると司くんは先ほどの私と同じように窓ガラスから見えるサンプルのパフェを見て目を輝かせた。
「はい。以前、光くん達とparfaitを食べに来たんですがとても美味しくて。あ、僕のおすすめはこれですね。Strawberrypafe」
司くんが指さしたサンプルは細長のガラスの器にホイップクリームと生クリームそしてキラキラと光って見える赤い果実が添えられているイチゴパフェだ。
『美味しそう』
じゅるっと涎が垂れそうになり私は慌てて口元を服の袖で拭う。
「ここのparfaitはどれもfantasticでした」
では、お店の中に入りましょうと彼は私の手を優しく引き、扉を開ける。
まるでお姫様をエスコートする騎士のような振る舞いで私の胸はドキドキと高鳴ったのを感じた。
店の中はレトロで上品な雰囲気の装飾で整えられている。
司くんは水を運んできたウエイターにパフェを二つ注文してくれた。
『注文してくれて有難う司くん』
「いえ、女性をエスコートするのは男性の役割ですから」
ニコッと微笑む司くんを見てほんとに彼は優しくて頼りになる騎士そのものだ。
注文したパフェが届くと私と司くんは目を輝かせながらパフェを頬張る。口の中いっぱいに生クリームとイチゴの味が広がる。その甘酸っぱさに幸せな気持ちになった。
『お、美味しい~幸せ~』
「はい。頬が落ちちゃいそうです」
私と司君は各々パフェを食べた感想を述べるとふと目が合い、お互い微笑んだ。
幸せな時間。ずっとこのままこの時が止まってしまえばいいのに。
Strawberry pafe