第8章 Strawberry pafe (朱桜 司)
『・・・・・』
じーと商店街の路地裏にある喫茶店のパフェのサンプルを眺めながらどのパフェを頼もうか考えて早数十分。
学校終わりに買い食いをするという学生らしいことを一度は体験してみたかったのだ。
どのパフェも美味しそう・・・。
窓ガラスを眺めながら考え込んでいると声を掛けられた。
聞き覚えのある声に私はビクッと肩を揺らし後ろを振り向くとそこには。
『・・・っ!つ、司くん』
「驚かせてしまってすみませんアリスさん」
Knightsのメンバー朱桜 司くんの姿があった。
彼は真面目で優しくて落ち着いており、年齢よりも大人びた受け答えをする。その姿はまるで騎士そのものだ。
どうしてここに・・・?と問おうとするが未だに胸がドキドキと高鳴っており上手く言葉が発せなかった。
『えっと・・・あの・・・っ』
顔を赤らめ下を向くと司くんはフフッと小さく微笑んだ。
「アリスさんもここのparfaitを食べにいらしたんですか?」
『・・・っ!う、うん!もしかして・・・司くんも?』
司くんがパフェを食べるイメージは無いからきっとコーヒーでも飲みに来たんだろう。
とこの時までは思っていた。だが私の予想は外れた。