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【ヒプマイ】先輩芸人の簓さん オオサカ編

第12章 簓と左馬刻の番外編


「お前なんなんだよ」
「久々に会うておきたい思て」
「急すぎんだよ」
「あ!最初の電話切ったやろ!」
「うるせぇな、車内ででけぇ声出すな」
「とりあえず窓開けてくれへん?煙たいねん」
「煙草吸ってんだろ」
「禁煙してるんや、今の相棒は飴ちゃんよ」
「で?何しにこっち来たんだよ」
「こっちに付き合うてる奴おんねんけど心配で来たんや」
「束縛野郎かよ」
「あれ、文秋見てへん?」
「は?」
「見てないならええわ、とりあえずの家に向かおう思ってる。まだ家におるはずや」
「タクシーで行け」
「さ!出発進行や!」
「遠足じゃねぇんだぞコラァ!」

トウキョウ駅からスギナミ・ディビジョンまで20分弱で着けるんやな、車って便利や。
左馬刻に道を案内して行くうちにのマンションに近づいていく。

「そこの角を左や」

もうマンションは目の前。
左馬刻に指示を出した瞬間、勢いよく走る人物が小さく見えた。

「ん?んん?あれ……や!あの走ってる奴!あれやんな!?」
「俺が知るか!なんだよこの人だかり、マスコミか」
「左馬刻ストップ!!真っ直ぐ!真っ直ぐ行けや!」
「てめぇが曲がれっつたんだろ!おちょくってんのか!」
「ええねんそういうの!はよー!」
「後でぶっ殺す!」

てきぱきと運転してくれんのはええけど運転荒いねん!

「やっぱや!の前で停めて!」

左馬刻が急ブレーキかけるもんやからシートベルトが仕事した。
慌てて窓を開けようとしたけど開かへん。

「あ、行ってまう!窓開けへんやんなんやねんこれ!」
「ハハ、こっちでしか開けらんねぇよ」
「はよ開けえや!ちょっ、クラクションも鳴らせ!」
「落ち着けよ、うっせ」

左馬刻絶対慌てた俺を楽しんどるやろ!
窓が開いてクラクションが鳴るとは通りすぎた直後にこっち見て目が合うた。

「!乗りぃ!」
「簓さん!?」
「どんくせぇ同士お似合いだな」

左馬刻の一言にどついたろかと思ったけど、送ってくれたことに免じてやめといたる。


おわり
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