第8章 現れるはずのない助っ人
「ってことで!もうバレたことやし万事解決やな!」
「開き直っちゃったよ!俺だけスッキリしてないよ!今から会う人達が俺への接し方に困惑するのが目に見えてるよ!」
「笑っとけ笑っとけー!」
なんて楽観的なんだ!?
尊敬するわ!
「ていうか、逃げたのまずかったかな……」
「知りません言うとけば良かったのに」
「急すぎで機転利かないよ」
「が嫌ならなんぼでも話合わすで」
「そうじゃなくて、違う、ごめん」
「なんでが謝るねん」
「行こう、このまま」
「無理やり言わせとる?」
「違う。これからのこと考えると早い方がいいかもしれないし、簓さんの意見も尊重したい」
「そうか、ありがとな」
「覚悟は決まったかよガキ、そんじゃ飛ばすぜ」
はは!と笑った碧棺さんはぐんとアクセルを踏んだ。
「うわぁ!スピード上げすぎやっ!」
「ちょっ、まだ死にたくないぃぃぃ!」
カーレースでもやっているかのように楽しんでる!
ヨコハマに知り合いの警察がいるから平気だとかなんとか言ってるけど、ここで捕まったら管轄外では!?
簓さんが注意したお陰で法定速度へ戻した左馬刻さんは不服そうだった。
そして運が良かったのかどうなのか無事夕日テレビに到着した。
「ありがとうございました、わざわざヨコハマからすみませんでした」
「借りは返してもらうからな、忘れんな」
「まーまー、呼び出したのは俺や!さて、行きますか!」
「簓さんも行くの?」
「の収録でも見て帰ろっかなーってな!」
「いやいやいや!このタイミングで!?皆パニックだって」
「ええやろ!仲良いアピールや!」
「だ、大丈夫かな……」
「ただ芸人らには内緒な」
碧棺さんの車を見送った俺たちはエレベーターでスタジオへ向かった。