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【ヒプマイ】先輩芸人の簓さん オオサカ編

第5章 和解 ※過激な描写あり


盧笙さんと別れて帰宅。
部屋の荒れようにため息が出た。
後輩呼んで手伝ってもらうか?と、その前に。
簓さんに電話すると帰り道に決めた。
スマホを取り出して簓さんにコールする。
3コール目で簓さんが仕事中だったことを思い出して切ろうと思ったが留守番電話サービスに繋がってしまった。

「お疲れ様です、今週の金曜にはオオサカ発つんだ。会って話がしたい、落ち着いたら連絡ください」

万が一簓さんから連絡がなかったら家に行ってやるつもりだったけど10分程で折り返しの電話が来た、無駄な心配だったようだ。

『ちょっと留守電聞いたけど、金曜て!早やない!?』
「ごめん、何もかも伝えてなくて……時間ください」
『スケジュール確認するさかい待っててくれ、今テレビやねん』
「知ってるさっき見たから。大丈夫?電話してて」
『いや、あんまし良くないんやけど……あっはい!今行きますー!スマンまた掛け直す!』

スタッフから声が掛かった様でぷつりと電話は切れた。
ロケの合間にわざわざ掛けてきたんだ。
そうだよな、来週簓さんがいなくなるって言われたら俺もすぐ折り返すと思う。
今再確認した、簓さんのことが心底大好きなんだなって。
離れたくない。
芸人になりたいと思った理由、お笑いが好きだからだけじゃない。
影響を受けた人がいるから。

簓さんか芸人か、どっちを取るのかと聞かれたら俺は……




「よう、上がりいや」
「お邪魔します」

再度連絡があってから3日、現在簓さん宅にいる。
簓さんも仕事が忙しくてやはり会うのは夜中になってしまった。
まだ仲直りしたわけではないのに二人とも割りと普通だ。
電話して間を挟んだからなのか、お互い盧笙さんに会ったからなのかあの時の怒りは何処にもなかった。

「明後日やなトウキョウ」
「うん」
「色々あったよな、デビューしたての頃からずっとはライブ来てくれた。嬉しかったやんで。芸人なるって言うてきたときは流石に驚いたけど。ここまで成長するとはな」
「何で芸人になりたいと思ったんだろうって思うことがあってさ、思い返したら簓さんと盧笙さんの漫才を見てからなんだ。二人の漫才は一生忘れない。まさか芸人になって簓さんと付き合うことになるとは思ってもみなかったけどね」
「ははは、そなや!」

テレビ越し以来の簓さんの笑顔を見た。
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