第3章 盧笙さん家
それから電車で乗り継ぎながら話をしている内に盧笙さんの家へとたどり着いた。
「盧笙さんいるの?」
「まだ学校やろな、ほれ!」
摘まんだ鍵を自慢げに見せてきた。
「なにそれ」
「合鍵!こっそり作ったんや」
「勝手に作ったの」
「のも合鍵作ってんで」
「聞いてないんだけど!?」
「言うてへんもん、開いた開いた!」
ガチャリとドアを開けて慣れたように入っていく簓さんを見て少し盧笙さんに嫉妬した。
「よっこいしょういちまるのすけざえもん!」
とりあえず腰をおろした俺たちは盧笙さんが帰ってくるまで時間を潰した。
すっかり忘れてた、あのことを話さなくては。
「簓さん、伝えておかないといけないことが……んっ」
口を開くと簓さんは急にキスをしてきた。
この人はいつもこうだ。
「ちゅ……ん?にゃんや」
「ちょっ…んん……大事な話しなん…あぁ……ですけどっ」
「聞いてるで」
ハッとした、ここは盧笙さんの家だ。
「っていうかここではちょっと!」
「なんでや?」
「だって盧笙さんの家だし」
「だったらなんやねん、盧笙に見られてるわけちゃうし」
「そうだけど気分的になんか申し訳ないっていうか!」
「盧笙に言わんならええやん」
「そういう問題じゃなくて……」
「とか言うとるけど、(名前)のここもう固いで。かわええなぁ」
「あっ……簓さ…ん…はっ」
俺のものを服の上から摩りながら押し倒してキスを続けてくる簓さんに興奮して固さが増した。
もうどうでもいいやと覚悟を決めたのに……
「あ」
「な……なに……」
「あった!これやこれ!」
俺の頭上にあった詐欺パンフレットを見つけて勢いよく取り上げた簓さんは俺から離れてそれを読み始めてしまった。
「ちょっ……え、終わり…?」
「これ探しててん!これで盧笙が詐欺にあってること確定や」
「はぁ……寸止めくらってるんだけど……」
「すまんすまん、後で気がすむまでやったるさかい」
そんな…ひどいよ簓さん……、ドSかよ……。
「……じゃあ話の続きしていい……?」
「ああ、そやったな、何?」
「実は俺……」
と言いかけたときだった、玄関が開いて盧笙さんが帰宅した。