第9章 和解
火影室___
「火影様…その…また来てしまいました。はは」
そう照れ笑いする私と、同じく隣で照れながらほっぺを掻いているかかしをみて、喜んでくれた三代目火影様。
「よう戻ってきた、アンナよ。わしもうれしく思う。
しかし、どうやってここに戻ってこれた?何かわかったことはあるか?」
「そうですね…かかしとも話したのですが、唯一共通するといえばお互いに再会することをあきらめず、それでも前を向いて歩み続けたからでしょうか。」
はははっとうれしそうに火影様は高らかに笑った。
「そうか、なかなか大変であったろう。じゃが2人ともようあきらめずに前を向いて意志をつらぬいた。これからもお互いに精進するように」
「「はい」」
「して、アンナ。お前に合わせたい奴がおる。入れ」
誰だろうと思いドアのほうを見ると、すいれんさんが入ってきた。
「すいれんさん…」
「アンナさん…あなたとかかしに辛い思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした…」
深々と謝罪をされた。
「そんな‥もういいんです。それにこうして私もかかしも前を向いて歩くことができてますし、お互いに前よりも強くなれたような気がします。もう気にしないでください」
すいれんさんはそれでも頭を下げたままだった。
「私は、すいれんさんにも前をむいて歩んでいってほしいと思っています。」
そういうと、彼女は顔をあげてくれた。切なく笑う彼女の綺麗な顔には涙が浮かんでいた。
かかしも同じように傍で頷いて笑ってくれた。