第8章 もう一度
アンナ、かかし両サイド
*R18 までとはいきませんが、ちょこっと甘い表現あります。好まない方は飛ばしてください
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2人寝ころんだまま向かい合わせで抱きしめあう。
私はかかしの胸のとこで彼の鼓動に耳を傾ける。
俺はアンナの髪に顔をうずめ、優しく髪を撫でおろす。
「なんか、夢みたいだなぁ~…かかしの腕の中にいるの…」
「俺も…こうやって抱きしめてるのに、信じられない」
私は夢なんじゃない?て言いながら、かかしのほっぺをつねってみる。
俺は、やっぱり夢じゃないねっていいながら、つねられた頬を撫でおろした。
「かかし、元気にやってた?また、苦しくなってない?」
「ん~…そういうときもあったけど、あのままじゃ合わせる顔がないと思って。
アンナに再会することあきらめてなかったから。
会わずして死ねないと思ったからなんとか耐えられたよ。
アンナはあの後大丈夫だったの?」
「うん…もとの世界に戻ったとき、こっちに来る前となにも変わってなかった。
でもどうやっても戻れなくてさ…
ずっと泣いてたんだけど、このままじゃかかしに再会してもかっこ悪い自分のままだって、こんなんじゃかかしのこと支えられないって思って、私もあきらめず前を向いたよ。」
2人見つめ合う、同じだね、頑張ったねって。
「でももう俺、お前不足で、限界で…」
そういって俺はアンナの頭を後ろからグッと引き寄せた。
私もだよって気持ちを込めて、私もかかしの首に手をまわした。
噛みつくようにして互いの口をふさぎあう。
息ができなくたってかまわない。
どれだけ交わしても足りないのだから。
離れていた時間はそれほど2人にとっては長かった。
つらかった_____
今、名前を呼べば答えてくれる人がそこにいる。
触れようとすれば、すぐ傍で触れられる。
なのに何度も肌を重ねても、この手に引き寄せてもやっぱり苦しい。
本当に溶けて一つになれたらいいのに____
互いに映るその瞳には、この世で2人だけでいい。
感じる体温も、感覚もこのまま永遠に。
何度も果てても、上り詰めても、愛しいその人をこの眼に、この手に独占し続けたくて互いに止まることができなかった。
押さえつける腕に、爪がたつその背中に、交わる汗に、何度もきれる呼吸に…
すべてに2人は溺れた______