第1章 別府太郎の話【完結】
「へ?」
入ってきたのは名前は知らないが三年の男子。と知り合いなのかズカズカと側までやって来る。
男達の迫力に何事かと眉をひそめるが、別府は一瞬で理解した。
「こいつとつきあうって本当か!?」
「どうしてこいつなんだ!」
バンと机を叩き今にも殺さんとする眼つきで睨みつける。
「あんた達、何言ってるの?」
しかしは気にせずに呆れた顔で男達を見ていた。
「俺達が告白したのは断ったくせに、こいつにはから告白したらしいじゃないか!」
「何でだよ! お前、何した!」
「あんた達には関係ないでしょ」
ビシッと指を差されて別府はビクリとするが、は笑っている。
「私が別府くんを好きになったの」
隠すように別府に身を寄せるが、その行為は余計に男達の怒りを買う事になった。
「許せん、こんな、こんなデブのどこがいい!?」
「そうだぞ、こいつデブじゃないか!」
「あ、あの……」
間にがいるため直接暴力をふるわれはしないが、恐怖と共にを守らなければと別府も口を挟もうとする。
別府が肩に手をかけようとした時、それまで笑っていたがおもむろに立ち上がった。
「デブで何が悪い」
その声は静かだが迫力があり、空気がシンとなる。
「あんたらは脳みそまで筋肉か! 私が好きなのはあんたらみたいな一方的に言いがかりつけてくる筋肉ダルマじゃなくて優しくて可愛い別府くんのぷにぷにしたお腹なの。私の好みに口出す権利ないでしょ!」
一気に怒鳴ったに誰も言葉を発せなかった。
「……け」
「え?」
「今すぐでてけぇ!」
の怒鳴った声は部屋の空気を震わすほど大きく、男達は慌てて加工室から逃げる様に出て行く。
残されたは肩で大きく息をしていたが別府から表情は見えず、どうしようと考えているとペタンと床に座り込んだ。