【カードファイト!ヴァンガード!】 ~クレイの神子~
第6章 10年前
【回想】
父「実は、お前の母さん…マナミは、あの儀式の時――」
10年前――。
父「ハルカ、頑張るんだよ」
母「しっかりね?」
小さいハルカ「うん、わたしがんばるよ!」
小さいナイト「……。」
小さいハルカ「ナイト、あとおねがいね?」
小さいナイト「…ああ」
私はこの儀式で、数百年に一度のクレイの制御のため、核で眠りに着くはずだった…。
だが儀式の最中に、神子の家計を憎む叔父が、儀式をさせまいと、乗り込んできたのだ。
小さいナイト「ハルカっ!!」
小さいハルカ「…!」
名前を呼ばれ、振り向いた途端――。
バッ――グサッ!
母「…っっ!!」
小さいハルカ「……お、かあさま…?」
お母様が私を庇うように抱きしめ、小さく呻き声を上げた。
母の背中にナイフが刺さっており、刺した人物が側に立っていた……叔父が…。
叔父は視線を動かすことも無く、冷たい氷の様な瞳で私を見つめていた。
ポタ…ポタ…――。
警備員が取り抑えようとしたが、叔父は逃亡しナイフが刺さった母の背中から赤い雫が滴り落ちていく。床に落ちる音がやけに大きく響いて聞こえた。
小さいハルカ「い、いやぁああああっ!!!」
キイィィイン!バァァアンッ!!
お母様は私を庇って刺されたのだとショックを受けた影響でPAYクオリアが暴走し、ハルカから放たれた光が方々に飛び散ってしまった。
父「ハルカ!しっかりしなさい!…気を失っている。このままでは…」
母「はぁ、はぁ…っ…私が、代わりに…っ」
父「何を言っているんだ!その状態では無理だ!それより早く手当を…!」
母「大丈夫…っ、この子が成長するまで、耐えてみせる、から…っ」
父「だが…!」
母「早くっ…!クレイのエネルギーが不安定になってきてる!手遅れになる前に…!!」
父「……くっ!!」
こうして母は、私の代わりにクレイで眠る事になった。ナイトも覚えていたらしい。何も言わなかったのは、私を思っての事だったんだそうだ。