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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第74章 ゆるやかに抱かれた胸の中




いつも通り、屋上で昼寝をしている流川。


「流川ー。お弁当食べよー。」
「…おー。」


なんだ今の間は。
いつもなら、間髪いれずに反応が返ってくるのに…。


流川は、何事もなかったようにお弁当に手を伸ばす。
まぁ、何事もなかったんだから当たり前なのだけど。





「はー、食べたー。」


まだ暑いけど、少しずつ秋の風になってきた。


「風が気持ちいいねぇ、流川。」


これじゃ、昼寝したくなるのもわかる気がする。


「おい。」


もともと口数が少ないけど、今日はさらに少ない。
そんな流川が、自分から話しかけてきた。


「なぁに?」


と思ったら、視界が急に暗くなった。
なに?!なに??!!


いったい何が起こったの???


「おめー、いつまで名字で呼ぶつもりだ?」
「へ?」


頭の上から流川の声が降ってきた。
あぁ、そうか。


抱きしめられてるのか…。


現状を把握したら、意外にも冷静な私がいた。


流川って、あったかいなー。


「聞いてんのか?」
「聞いてるよー。」


流川の暖かさに眠くなってきた。
なんて言ったら、怒るかな…。








































ゆるやかに抱かれた胸の中
「5現目さぼって昼寝しようか?ね、楓…。」




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