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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第72章 気まぐれなお天気と泣き顔




「んだよ。雨かー。」


カサ持ってきてねぇよ。
最近、天気予報よく外れるなぁ…。


「って、こっちにも雨降ってんのかよ…。」


昇降口には、泣き顔の。


「どーした?流川とケンカでもしたか?」
「…してない。」
「じゃぁ、なんで泣いてんだよ。」
「泣いてないもん。」


かわいくねーなぁ。


「どう見たって泣いてるじゃねぇか。」
「うぅ…。」
「で?どーした?」
「流川が…。」


やっぱり、流川がらみなんじゃねぇか。


「流川が?」
「……女の子に、告白されてた。」
「…彼女のおまえに言うのもなんだが…、いつものことだろ?」
「……晴子ちゃんだった…。」


あぁ…、とうとう告白した訳だ…。


「で?流川が晴子ちゃんと付き合うって言ったのか?」
「……聞きたくなかったから逃げてきた…。」
「おまえねぇ…。」


いつも自信に満ちあふれ、天真爛漫な。
ゴーイングマイウェイでポジティブな。
そんなを泣かせるとは、ある意味、流川ってヤツはすごい男なのかもしれない。


「だって、晴子ちゃん、かわいいし、いい子だし…。」
「……でも、流川はおまえを選んだんだろ?」
「………。」
「ちょっとは流川を信用してやれ。大丈夫だろ?流川はおまえのこと好きだよ。」
「ホント?」
「あぁ。わざわざオレのところに来たからな。」
「洋平のところに?なんで?」





『大事にする。おまえの分まで。』





そう言った流川に、迷いはなかった。


「なー、なんで流川が洋平のところに行ったんだよー!」
「娘を持つ父親の気分だな。」
「はー?マジわかんねぇ!」


いつの間にかの涙は止まっていた。
そして、いつもの笑顔だった。










































気まぐれなお天気と泣き顔
お、こっちも晴れたか…。カサはいらなそうだな。




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