第65章 何もかもが澄み切った気持ちになる
「よーへー!!」
「あぁ?」
自分の気持ちを自覚したのは、中2の頃。
家が隣同士であるオレとは、典型的な幼馴染。
「今日も部活か?精が出るな。」
「洋平だってバイトだろ?」
そんな幼馴染に想いを寄せるオレは、臆病者だ。
自分の想いを告げるよりも、今のままを望んでしまった。
この関係が壊れるくらいなら、自分の気持ちを隠すぐらい容易いんだ。
女友達といるより、オレたちといる時間の方が長ったに
なんと彼氏ができた。
いつかこんな時が来るってわかってた。
その相手がオレじゃないことぐらい、簡単に想像できた。
でも、現実は厳しい。
分かっていても、オレはが好きだから
どうしても、醜い感情が出てきてしまう。
オレの方が…。
オレだって…。
「バイト、しんどいなー。行きたくねー。」
「お金を稼ぐってのは、簡単じゃないのねー。」
ドス黒い気持ちを隠して、隠して、隠して………。
「まぁ、お互いに頑張ろうなッ!」
「……頑張ろうな。」
何もかもが澄み切った気持ちになる
眩しいくらいの笑顔に、何度救われてきたことか。