第56章 見つめ合う甘い瞬間
「おい。」
「……。」
「…寝てんのか?」
いくら話しかけても反応がない。
眼は開いてる。
眼を開けたまま寝るなんて、高等テクをどこで身に付けた…?
「おい、。」
「ぅあっ!はいっ!!」
ようやくこちらの世界に帰ってきたか…。
「なにボーっとしてやがる。」
「別に何も…。」
「……ショージキに言え。」
「ぅえぇ?!いや…、でも…………。」
語尾が小さくなるだけじゃなく、目の前にいるもどんどん小さくなる。
うつむいた頬は赤く染まっていた。
「おい、こっち向け。」
「む…っ、ムリィ…。」
赤くなった頬に触れると、熱かった。
……顔、小せぇ。
「なにするんだよっ!」
無理やり顔を上げさせたら、今度は耳まで赤くなった。
「一度しか言わねぇ。」
「へ?」
見つめ合う甘い瞬間
「好きだ。」