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オレンジ色の恋模様<流川楓>

第2章 たった一つの約束事




ただバスケをしているだけなのに、女どもはうるさい。
中学の時もそうだった。


オレの頭の中で、女はうるさいという図式が出来上がっていた。


それをぶっ壊したのがこの女だった。





退屈な数学。
オレは窓際で昼寝をする。


これから本格的に寝ようとした時に気付いた視線。
この視線はあの女だ。


オレの隣に座る、でかい女。
あのどあほうのダチらしく、最近よく体育館に来る。
でも、全然うるさくねー。
しかもバスケの経験者らしい。


そうマネージャーから聞いた。


そして見てしまった。
日曜の早朝。
いつもの公園で、きれいなシュートフォーム。


率直にあいつのパスを受けたいと思った。
あいつに触れてみたいと思った。














「おい。」


だからオレはオレらしくない行動を起こした。


そう部活の前に、自分から話しかけてみた。


「あ?」


帰るのか、カバンを片手に返事が返ってきた。


「おめー、今日、体育館に来い。」
「体育館?応援に来いってか?」
「ちげー。」
「じゃぁ、なんで?」
「練習相手しろ。」
「……おいおい。私よりもいい相手がいるだろ?」
「おめーとやりてー。」


それだけ言って、体育館に向かう。
ぜってー、あの女は来る。


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