第5章 枕
それはまだ、が旅に加わった日のことだった。
夜も更けたころ。
「兄さん。そろそろ寝ないと、明日に響くよ。」
「んー。」
「もう!兄さんってば!!」
いつもの如く文献にのめりこんでいたオレは、アルの言葉も右から左に受け流していた。
コンコン
「はーい。」
こんな遅い時間に誰だ?
アルに話しかけられた事により、集中力の途切れたオレはドアの方に目を向けた。
「。どうしたの?」
ドアをノックしたのは、旅に無理やりくっついてきただった。
「あのね…。」
「どうしたの?」
「私、枕が変わると眠れなくて…。」
恥ずかしいのか、旅につれてけと迫ってきた面影はみじんにも感じられない。
「だから、ちょっとこっちに居てもいい?」
そんな話をしたのが数か月前。
枕
「おまえ、枕変わっても眠れるようになったのか?」
「え?私の枕はエドの腕だから変わりようがないでしょ?」