第4章 永遠なんて知らなかった
チチチチ……
宿屋の安っぽいカーテンから日差しが差し込む。
旅を始めたころは、兄弟で一部屋。
が加わってからは、男女で分けて二部屋。
と恋人になってからは、アルが一人で部屋を使うようになり、オレたちは一緒のベッドで寝るようになった。
「まぶしい…。」
昨夜の情事で疲れたのか、こんなにまぶしい日差しでもは一向に起きようとしない。
すやすやと幸せそうに眠っている。
オレと同じベッドで、オレの隣で幸せそうに。
旅を始めたころは、こんな幸せ、オレには無縁だと思ってた。
大切な存在も、守る存在も弟だけだと思ってた。
そんなオレの心にはすんなり入ってきて、そのまま定着した。
それを嫌だと思わないから不思議だ。
「ん……。」
「朝だぞ。」
「んー……。」
なかなか起きない。
こんな幸せな時間なら、永遠に続けばいいと思う。
永遠なんて知らなかった
この幸せを守っていくんだと、そっと誓った。