第5章 僕だけに向けられた天使の笑顔
「あっ!おでこはもう大丈夫?」
オレの存在に気付いた天使は、出会ったときと同じく顔を近づけてきた。
そして、小さな手をオレの額に伸ばしてきた。
恥ずかしさと戸惑いで、体を引いて答えた。
「もう大丈夫だ…。心配ない。」
体を引いたことにより、天使は少し驚いた顔をしていたが
すぐによかったと手をひっこめた。
「知り合いか?天使ちゃん。」
「そう呼ばないで下さい、エロ司教。」
「おまえもそう呼ぶな。」
コロコロかわる表情。
「私、=です。」
「ハクレン…。ハクレン=オークだ。」
差し出された手を握り、名前を名乗った。
「よろしくねっ!」
と言う名の天使は、かわいらしい笑顔で笑った。
僕だけに向けられた天使の笑顔
僕は天使に恋をした。