第4章 陽だまりのような空気
「いつ聞いてもいい声だなぁ~。」
「あのラゼットが聞き惚れるくらいですからね。」
「フラウ司教、カストル司教!あの子をご存じなんですか?!」
「あぁ。」
「あの子は有名ですよ。」
有名?
なぜ、有名なんだ?あの歌声か?
キレイな、金の髪だから?
「やけに食いつくなぁ~。」
すると歌声が止まり、代わりに元気な声が聞こえてきた。
「あ!フラウ司教!!カストル司教!!」
「よぉ。」
またねとラゼットに声をかけて、こちらにかけてくる天使。
「お久しぶりですね。」
「お久しぶりです!」
ふわりと空気が揺れた。
目の前には、また会いたいと思っていた金色がなびいた。
陽だまりのような空気
この子がそばにいるだけで空気が変わる。