第10章 現実
目が覚めたら病院のベッドだった。
「やっと起きたか…」
テンはフカフカ浮きながらそういった。
「テン…あれからどうなった?」
「神威をつかってなんとか帰ってきたぜ。
あと少し俺が空間を繋ぐのがおそかったら、お前は耐えれなかっただろうな…ギリギリだった。
お前は2週間寝たまんまだったよ。」
「そっか…今目が覚めたにしても、体動く気がしないね。
こりゃあと一週間はかかるな」
「ま、ゆっくり休めや」
「うん…ありがとう」
なんとか…帰ってこれた。
これでかかし先生には、あくまでも私がどうなったかなんてわからない。
里にも平和が訪れるはずだ…
自分でこれが正しいと思うことをしたはずだった。
でも…告白しなかったら、一年丸々そばにいれたのに。
もう少し、傍にいたかった…
未練がましい欲張りな自分に笑えた。
残り…あと3か月。