第6章 告白
かかしサイド
途中、りかがついてこないから振り返ると、彼女は何か思い詰めた顔をしていた。
どうしたのか尋ねると、彼女は決心を固めた表情になり話し始めた。
りかが別の世界から来たこと、俺たちのことがりかの世界では物語になっていること、条件つきでここにきていること、悪でも脅威でもない、そして俺に対する本当の気持ち。
…ちょっと待って…
不信感もない所にいっきに真実を突き付けられて、さすがの俺も混乱した。
火影として、最も重要なことは別の世界から来たりかが、本当に悪でも脅威でもないことかどうかだ。
本人がいうならば信じてやりたいが、彼女はある人の協力によってと言っていた。
そいつも悪でない保証はない。
しかも条件つき?
いったい何の条件なんだ…
彼女のことを思い返そうとすると、ある一定の部分から自分にもあまりはっきり思い出せない部分がある。
もしかして、彼女が別の世界からきているからなのか?
だが気が付いた時には、りかはもう俺たちの知っている存在で、みな受け入れている。
どうなってるんだ…
しかも突然の告白…
なんとなくそうなのかもしれないと思ったこともあったが、深く考えてなかった。
でも、今はそれよりも火影として考えることが優先だ。
「……その別の世界とか、物語とかいろいろよくまだ飲み込めてなくて…それにりかの気持ちも…なんていうかちょっと混乱してる…」
精一杯出せた返答だった。
りかは俺がそう言うだろうとわかっていたかのように言い、雨の中走り去っていった。
まるで、彼女自身の心を映すかのように、雨は強く降り続いた。